10月31日(日)
 今日も眼に痛いほどの青空。もう帰らなければならない。帰りの飛行機は午後の早い便。沖縄に来て1泊だけは切ない。
 帰る前の昼飯は今日も沖縄そばに決まってる。前から行ってみたかった「御殿山(うどぅんやま)」という店にGO。ちょっと辺鄙な場所にあるにもかかわらず、店の駐車場はいっぱい。レンタカーの「わ」ナンバーじゃない沖縄ナンバーばかり。
 店舗は、典型的な沖縄の古い民家をそのまま使っていて、雰囲気抜群。味も良かった。個人的好みでは「首里そば」の方がちょい上か。でも、この店の沖縄情緒を味わうだけでも来る価値ありだ。
 あわただしく駆け抜けた那覇の街に後ろ髪を引かれつつ、また「ゆいレール」に乗って帰途につく。


10月30日(土)
 昨年に続いて2度目の那覇サイン会。沖縄は泣けてくるほどの晴天だった。空港から首里まで向かう。初めて乗った「ゆいレール」から見た那覇の街並はまるで異世界。


 那覇に着いたら、何はともあれまず「首里そば」だ。コレを食べないことには始まらない。
 うう。相変わらず旨い。幸せ。初めて食べる徳丸も感動していた。ホテルにチェックイン後、サイン会の時間まで国際通りと市場をブラっと歩く。それにしても国際通りは来るたびに、ファンシー系おみやげショップで埋め尽くされていくなぁ。
 サイン会に来てくれた人たち、どうもありがとう。また会いましょう。


10月29日(金)
 サトウが担当する最後のキャラ者、昼あがる。「パッサテンポ」で昼飯食って別れる。帰り際に井上和香のでっかい写真集を買ってプレゼントしてくれた。まあ〜、スケベな俺にぴったりな贈り物だこと。しくしく。
 夜、銀杏BOYZのマネージャー江口君が来る。CDジャケットまだです。スイマセン。来週にはあげます。スイマセン。てなわけで明日、沖縄。

1年半ありがとうサトウ。ご苦労様でした。
でかい。ワカコレ。

10月27日(水)
 ううう。寒い。気も沈む。仕事進まぬ。 今日は I 誌の予告カット。本来はコレよりヤバイ〆切りのヤツがあるのだけど、出来るものからやろう。
 という事で I 誌の編集Sが寝袋と手作りカレーの夕食持参で詰めに来る。たかだか予告カットになんちゅう大事だ。と、思ったが、1ページ大の4色カラーイラストなのでそれなりに時間かかった。朝5時まで。それにしても寝袋て!俺の原稿取るのは冒険か!アドベンチャーかい!ある意味、困難への挑戦かい!

10月26日(火)
 いきなり寒い。冷たい雨の中、ゴールデンカップスのドキュメント映画「ワンモアタイム」試写会のため、有楽町へ。したらすぐ前の席が遠藤賢司。ななめ隣がルー大柴。後ろの席がモト冬樹、という濃い配置。
 映画は2部構成。1部は当時の映像と、関係者、ミュージシャンなどによるインタビューからなるドキュメント。2部はこの映画のために再結成した現在のゴールデンカップス(全員52歳〜59歳)によるライブ映像を延々と1時間。
 1部はめちゃくちゃ面白かった。でも2部……長ぇ……。DVDの映像特典としてならいいが、映画としてひとまとめに観せられるとちょっとつらかった。でも1部は俺たちの世代には懐かしく、若い人にはきっと新鮮であろう貴重な映像が満載で本当に面白かったよ。11月20日よりテアトル新宿にてロードショー公開。
 帰り際、遠藤さんに久しぶりにご挨拶。高田渡、ゴールデンカップスと続いた、この日本のミュージシャンのドキュメンタリーシリーズ、第3弾はこの人、遠藤賢司らしい。これも楽しみだな。


10月25日(月)
 嫁とランチ。ハモニカ横丁の、前は熱帯魚屋だった場所に出来たスパゲティ屋「スパ吉」で。この店はなかなかいいけれども、麺が全部平打ち麺なのな。具によって普通の丸いのと使い分けてくれたらもっといいのにな。基本的に俺、好きじゃないんだよな平打ち麺。
 おとといの地震は新潟の方ではけっこう大きな被害が出た様子。新潟の被災者の人達の映像をニュースで見ていて、東京って、ここのところ何だか「あまりにも無事過ぎないか?」と思う。この前の台風22号、23号にしても、ひどい所ではかなりの被害と死者が出ているのに、東京だけがのうのうと無事なような。なんだかこのしっぺ返しがそのうちまとめて来るような気がするよ。

10月24日(日)
 何本かのネームを何軒かの喫茶店で。平田弘史の「血だるま剣法・おのれらに告ぐ」を買って読む。ぴあから送ってきていた岡村靖幸ちゃんの本「純愛カウンセリング」も読む。「純愛とは何ぞや」というテーマで岡村ちゃんがいろんな分野の人と対談している。これが予想以上に(といったら失礼だが)面白かった。さすがにデビューから一貫して純愛をテーマに曲を創っている岡村ちゃん。普通のタレント本とは一線を画する面白さ、というか、岡村靖幸という人物が面白いのだと思う、やっぱり。


10月23日(土)
 昼前起きたが、二日酔い。なんで I 誌の取材の後はいつも朝まで深酒になるのか。担当二人も飲んべだからだ。あと、週末家族が帰省してるので調子に乗ってしまったからだ。馬鹿だ。
 二日酔いのくせに「江ぐち」のラーメンが急に食いたくなる。二日酔いのくせに旨かった。旨かったけど食べた後、腹具合が悪くなった。馬鹿だ。
 で、帰ってまた寝た?夕方起きたら、地震。かなり揺れた。映画「ヴィレッヂ」観ようと思って吉祥寺プラザ行ったら昨日で終わってた。じゃバウスで「華氏911」だ。と思ったら、最終回の時間には過ぎていた。馬鹿だ。
 で、仕方なく帰って、また寝た?夜起きて仕事……と思ったが進まず。夜中3時あきらめて本格的に寝た。無為な1日……。馬鹿だ。

10月22日(金)
 夕方 I 誌の取材で北品川。京急線に乗るのも初めて、北品川なんてムロン初めて。静かな街の静かなカレー屋。興奮する事もなく、静かに取材終了。


10月21日(木)
 今日は台風一過でさわやかな晴天。「ぴあ」、昼アップ。それはそうと「ぴあ」リニューアルで発売日が変わった関係で、いつの間にかデッドの〆切りより1週先行している。つまりずっとギリギリであげていたのが、1週分ストックがある状態なのよ今。こんな事、連載以来初めて。ビバ!リニューアル!だけど新しくなったぴあ、中綴じなのに厚くて重くて読みづら〜。でもキャラ者の版面は大きくなって見やすくなったかも。
 アジアン・カンフー・ジェネレーションの新譜「ソルファ」、買う。スカっとキレがあっていい。「存在証明」なんて青臭い言葉がちょっと耳につき過ぎる以外は。

10月20日(水)
 10月も20日ですよもう!!早!!もう今年も暮れまでまっしぐらだよ!
 沖縄・那覇でのサイン会までもあと10日と迫ったよ!那覇のみなさん今年もまた来てね。その頃また台風来てんじゃないだろうな。「やぎ」とかよ。
 ところで「東京事変」の二作目のシングルをまた買ったんだけれども……どうも心に響きません……。

10月19日(火)
 朝、珈琲に、賞味期限が1週間切れたミルクを、まっいっかと入れて飲んだらやっぱよくなかった。テキメン下痢だ。馬鹿だ。
 「タカダワタル的」のタナダユキ監督の新作「月とチェリー」のコメントを頼まれていたのだけど、ようやく今日送れた。
 また台風。23号はこの秋最強らしい。アジア名「とかげ」らしい。アジアでも、日本を含む14カ国が加盟する台風委員会(笑)というのが名前の候補を出し合って、台風に名前つけている、というのを初めて知ったよ。
 で、日本が出してる候補が今回の「とかげ」を筆頭に「やぎ」だの「うさぎ」だの「こっぷ」だの「こんぱす」だの、情けない名前ばかりだというのに笑ったよ。

10月18日(月)
 久しぶりに暑いくらいのいい天気なのはいいが、蝉まで鳴かずとも!!10月中旬だぞもう!まったく自然現象いろいろと狂ってきてるぞ。急ぎの〆切りが3つ迫っている。今日から篭りだ。電話には出ませんのであしからず。
 夜、自転車で水とお茶を買いに行って、前カゴに2リットルのペットボトル3本と牛乳入れて走ってたら転倒した。道路から歩道に乗り上げようとして、前カゴが重かったのか、乗り上げられずにチャリの車輪がすべったのだった。
 左方向に倒れて、左足の膝から落ちたんだけど、右足はペダルに残ったまま。つまり、両足が思いっきり開脚させられたまま倒れたんである。
 右足太もものスジがものすご痛い。ペットボトルやバックが散乱する歩道にひざまづいて、
 「痛い痛い痛い痛いよぉ〜〜〜〜!!」と声に出して泣く。
 したら後ろからじじいが知らん顔して自転車で通り過ぎていったわ。
 前からきた姉ちゃんも知らん顔して通り過ぎていったわ。
 なんちゅう孤独さよ!?
 昨日はたくさんのファンに囲まれていたのに、なんちゅうギャップよこれ!?

10月17日(日)
 昼、中道通りの奥に新しくできたラーメン屋にいってみる。ソバ粉の入った麺といい、茎ワカメの具といい、まるっきり「一二三」のラーメン。当然本家より落ちるけど。いかがなものなんでしょうかこれは。
 中道通りには今時めずらしくなった昔ながらの、いわゆる「喫茶店」が多い。「散歩」という店で珈琲を飲んで帰る。喫茶店はいいね。落ち着くね。日曜日なのに一人でこんなにのんびりしてる事もめずらしい。
 って、のんびりし過ぎた。うかうかしてたら4時からの渋谷でのサイン会に遅れそうになってしまった。開始時間ほぼピッタリ間に合ったが、危ねぇ危ねぇ。
 今日の客は濃かったなぁ。とにかく色紙5枚に全部違う女の子描いてくれだの、こっちがまるっきり忘れてる昔のキャラ描いてくれだの、映画セクレタリーで描いた秘書を描いてくれだの。描けねぇよそんなの!!
 まったく。俺がいやな顔ひとつせず丁寧に描くのをいい事に、一人で何回も何回も並ぶ奴、いいかげんにしろ!!お前らみたいのがネットですぐ色紙売るんだろ!
 ……すいません。そういう人ばかりだとは限りません。来てくれた人全員ありがとうございました。
 しかし、3時間超もサインし続けたのさすがに初めて……。疲れた。

10月15日(金)
 夜、新宿にある「両国」という、とぼけたようなチャンコ鍋屋でイラスト集の打ち上げ。ここ、安くて美味しいよ。特に塩味チャンコ。
 沖縄での撮影に一緒に行った子達を含む6人のモデルも参加して賑やか華やか。みんな会うのは4年ぶり。変わってない子もいれば大人っぽくなった子もいる。なんだかプチ同窓会みたいな雰囲気で、和気アイアイと楽しかった。
 最初、楽しくて飛ばし過ぎたのか、二次会の中盤でもう眠気。3時前には解散。

携帯で夜撮った写真はちょっとアヤシイ……。

10月14日(木)
 キャラ者あがる。担当のサトウが10月いっぱいで会社を変わる。やっと慣れてきたのに寂しいよぉ。
 吉祥寺の個性派ラーメン屋「一二三」に2、3年ぶりに行く。もう並んだりせず食べれるのがウレシイ。久しぶりにうめかった。
 それにしても奥田民生の新しいアルバム「LION」がイイ。「何と言う」。なんて男らしくてカッコイイ日本語ロックなんだろう。この無駄がなく、かつ深い歌詞。


10月13日(水)
 あああ〜〜っもう天気悪い日が続いて鬱陶しい。起きて「パッサテンポ」で昼飯。新宿テアトルタイムズスクエアで映画「珈琲時光」。神保町の喫茶店「エリカ」とか「いもや」とか聖橋の電車の交差する辺りとか、普段見慣れた景色がとても映画的。余貴美子のお母さんがいい味。ちょっと寝たけどな。
 夜はキャラ者……という所で、泉晴紀とフリースタイル吉田が飲み屋から電話してくる。すでにいい調子。行くよ。行きますよ。行ったら田村信も呼ばれていた。
 でも1時半には、も少し飲みたい気分を振り切って仕事に戻ったよ。エライ俺。

10月12日(火)
 仕事場の収納が全て飽和状態。10年ちかくも溜め込んでれば、さすがにもういらないよ!ってモノの方が多くなってくる。午前中かけてイラないモノを全部捨てる。逆に、しまい込んであったデジタルの腕時計に、またしたい気分なものがあったりね。2個の腕時計の電池を交換してもらいに時計屋さんに持っていったら、店の親父さんに懐かしがられた。


 夜は「ファミ通」の打ち合わせ飲み。夜中の2時頃、阿佐ヶ谷で飲んでいたらしい大地丙太郎がめずらしく酔っ払って電話してきて、女子2人連れで合流してくる。

10月10日(日)
 吉祥寺のBOOKSルーエで「素顔」のサイン会。ハッキリしない天気だが、台風の真っ只中でなくてよかった。4時から開始。100人程に2時間くらいかけてゆっくりと描く。来てくれた人ありがとう。
 喉が少し痛く、10時頃には寝る。ここ2、3日よく寝てる。

10月9日(土)
 MONOマガジンの連載イラスト、どうしてもまだ路線つかめず、ワケわかんないの描いてしまう。うぬぬぬ。ぐやじい。夕方MONOマガの若手編集・年吉君が台風通過中の強風の中、原稿取りに来る。恥ずかしいので原稿も見せず、「会社で見て」とMOだけササッと渡す。それでもプロか俺!?すまぬ印南。すまぬ年吉。
 家に帰ったら台風は拍子抜けする程あっさり通り過ぎた。

10月8日(金)
 ゆうべ夕食の後またすぐに寝てしまった。夜中の4時に目が覚め仕事場に行く。吉祥寺に最近出来た24時間営業のスーパーで買出しして。
 またまた台風接近中で天気が崩れてくる。今年何度目だ。I 誌の取材が急遽中止になったので、その時間で映画「アイ,ロボット」観る。ロボットと人間が普通に行き交う未来都市の情景が楽しい。でもこんな顔のロボットは欲しくね。
 夜中、MONOマガジンのイラストが出来ず悶々。

10月5日(火)
 昨夜、年寄り並みの時間に寝たせいでさすがに朝5時に目が覚める。スッキリ起き出して、借りていた映画1本観て、ご飯食べて、8時には仕事場に。なんちゅうさわやか野郎だ。
 しかし昼飯食べたあたりから眠くてたまらぬ。さわやか切れた。さわやか限界。
 聞くところによると昨日の元YMO生出演、Mr.コーネリアスがギター弾いてたそうだ。返す返すも残念。観たかった。ビデオ撮って寝ればよかった。
 ところで『歌手ビリー・ジョエル(55)が32歳年下のモデル(23)と3度めの再婚!』には軽く驚いたが、みごとなツルっ禿げになったビリーの写真にはモノスゴク驚いた。まるで違う人じゃんビリー!さすがに男性ホルモンギンギンなんだなビリー!
 ビリービリーて。友達かよ。

昨日差し入れにもらった神保町柏水堂のクッキー。
なんだかカワイイ。食べるのがもったいなぁい。って、やかましわ!

10月4日(月)
 徹夜。早朝、ゴミ出そうとゴミ置き場に持っていったら、10月から武蔵野市、家庭ゴミも有料になるのな。専用のゴミ袋を購入し、それで出さなければ持ってってもらえない。仕方なくマンションの前のコンビニで10枚800円のソレを買って、ゴミを移し変えて出す。めんどうなこと。マジメな市民なこと。(実は杉並区民だけどな)
 朝8時頃ベッドに横になったとたん落ちてた、1時間程。編集氏の鳴らす玄関のチャイムで起きる。そのままノロノロと仕事再開。そのまま編集氏詰め。
 夕方終わる。家帰って飯食って風呂入って、新聞で「ニュース23」に細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏が生出演する事を知るも眠気限界。9時頃には落ちてしまった。でもこんなに真っ当な時間に寝れる夜は久しぶりなのだ。

10月3日(日)
 雨の中に金木犀の香り。今年も秋になった。しかしイチローはすごい奴っちゃなぁ、つくづく。意志の塊って感じ。ホームラン30本越えた松井もまたエライ。
 10日程〆切りを延ばしているイラスト仕事がひとつ。ここに至ってもノレない。なんてぬかしてるエラクない俺。明日がもう本当のデッド。で、日曜も仕事。ダサ。


10月1日(金)
 「ぴあ」が朝方あがる。寝ようと思ってたが、ポストに届いていた1枚のCDで眠気が覚めた。ブライアン・ウィルソンの「スマイル」である。製作途中で投げ出されたままお蔵入りになっていた幻のアルバムを、なんと37年ぶりにオール新録で完成させたという、ある種キ●ガイ沙汰のシロモノである。
 長い間追い求めていた夢のようなものが現実に手の中にあるのは不思議な感覚だ。嬉しいような、そうでないような。
 聴いてみた。幻の音楽は極めて普通に響いた。それは正直言って、これまでにブートレグや「グッドバイブレーションズ・BOXSET」に収録されていた音源で聴いた時のトキメキを超えるものではなかった。
 しかしそれでも。それでもなお、この作品は素晴らしい。世界中の無数のマニアの膨らみきった幻想が産み育んだ亡霊を、37年もたった今、自分の作品として取り戻そうとしたブライアン・ウィルソンの創造者としての覚悟と欲と業に拍手を送りたい。